垣本鉄工所 – NARA TEIBAN

垣本鉄工所

弥生時代には既に使われていた金属製品。仏教が発展した奈良時代では、寺院の建築や仏像、仏具、装飾品の製造が盛んに なり、金属加工技術が発展し、鍛造、鍛金、鋳造、彫金など 様々な技法と鉄の特性を活かし、花器、茶道具、神仏具など、暮らしの中で扱う製品が生み出され ました。明治、大正時代には、釜や鍬などの製造が主でしたが、昭和時代においては機械用鋳物が盛んとなり、現在では産業機械の部材が主に生産されるようになりました。そんな中で明治40年に農村に鍛冶屋として創業し、以後、産業機械の部品を生産する金属加工業に転じたのが垣本鉄工所です。

主に産業機械、自動車関連の部品、建築金物を製造してきた私たちが見出したのは、金属で培った技術を活かして、やわらかな「生活空間」を取り戻すためのモノづくりへの道です。そこでは心もおだやかになり、くつろぎも心地よさも生まれるイメージです。人々にとって心地の良い音が響き、美しい建物や風景が残る町にしたいという地域への想いと、経年変化を持つ金属の面白さ、手入れの楽しさを伝えながら、愛着が湧いてきて、それが佇んでいるだけで心が穏やかになるような「鉄」を提案したいと考えています。また、そのような想いで工場の隣にギャラリーを設けて、あらたなモノづくりに向けての試行錯誤を繰り返しています。