4Nov – NARA TEIBAN

4Nov

4Novの貝ボタン

― 静けさの中に、光を結ぶ ―

触れる

私たちは、貝のひかりに触れました。
海の底で育まれたその輝きは、
小さなボタンの中に、自然の記憶を宿しています。
指先で触れるたびに、潮の香りとともに、
人と自然の距離が静かに近づいていくのを感じます。

映す

ボタンを留める。外す。
その行為は、私たちの心のあり方を映し出します。
留めることで秩序を保ち、
外すことで自由を得る。
ボタンは、日常における選択と変化の象徴です。

見つめる

貝ボタンの表面には、光と影が揺らめきます。
それは、自然の恵みが時間の中でつくり出した表情。
私たちはその静かな輝きを見つめながら、
自然との共生、そして自らの内にある“静けさ”を学びます。

結ぶ

一つのボタンを留めるという行為は、
人と自然、過去と未来、
そして心と身体を結ぶこと。
貝ボタンは、装飾品ではなく、
生き方そのものを整える小さな象徴です。
それは、静寂の中に息づく美しさ。
日常のなかで、心を穏やかに結び直すための光です。

 

 

貝ボタンは、明治 20年頃、神戸でドイツ人技師の指導で作り始められてから、明治30年頃には大阪へ、さらに奈良に広まりました。その後、海外でコストの低い樹脂ボタンが大量生産されるようになり、貝ボタン産業は徐々に縮小化していきました。現在、県内で貝ボタンを作っているのは、10戸ほどです。それでも、奈良県の貝ボタン製造は全国シェアの85%を占めています。貝ボタンには自然だけがもつ美しさ、及び光沢があります。自然素材を手間ひまかけてつくる手作りの良さを伝えようと立ち上げたのが、「4Nov」です。

What should a button do?

私が親と共に仕事を始めた時は他社との分業でしたが、いつかは貝釦のすべての工程を自分で行いたいと考えるようになりました。その後、すべての工程を自分で行うようになって、さらに貝釦への愛着が深まりました。貝ボタンは、天然の貝をくり抜いてつくるため、同じものが2つと存在しません。シャツにつけた場合、全て異なる輝きを放ちますので、どんなにシンプルなシャツでも、上質に見せてくれます。ボタンを付け替えるだけで、服の表情は驚くほどガラッと変わります。これが貝釦の魅力なのです。またアイロン等の熱に強く、光沢感と風合いに優れています。