TSUJIMURA – NARA TEIBAN

TSUJIMURA

吉野地方は、昔から葛の自生地で、葛づくりに適した諸条件が整っていました。古代から中世までは、採取された根は、米や麦の代用食や体を温めることから葛根湯などの漢方薬にも利用されました。安土桃山時代には茶席の菓子として登場し、江戸後半には砂糖の国内生産量が増えたことで菓子屋が増加しました。また京都の料理人たちが味だけでなく見栄えよい料理を考案し、葛粉を使った料理は「吉野仕立て」と呼ばれるようになったことで、吉野葛の名前は全国に広がりました。
TSUJIMURA は伝統製法を継承しながら、様々な砂糖の持つ風味や色味を活かした新しい葛菓子です。

吉野山が桜の時期だけではなくて、年間を通して人々が集う活気ある地域になればと願っています。私たちの夢は、仕事を通してお客様や地域と繋がりを持ち、吉野山が一時的な観光地ではなく、普段の生活においても暮らしやすい地域になっていくことです。春に桜見物で賑わう吉野山ですが、かつては様々な商店が地域の生活を支えていました。しかし、今では桜の時期以外はシャッターを閉める店が多いのが実情です。10年前に帰郷してお店を経営する中で、桜の時期に依存した経営に気づき、何か別のやり方で発展させる方法がないかを探る中、お店と経営内容の全体を刷新させました。桜に依存した風土、活力を失いつつある地域を私達が先駆けとなり、桜だけに頼らない吉野山の復活を実現させたいという想いです。