Mafu A Mano – NARA TEIBAN

Mafu A Mano

「麻」の種類として、亜麻/ linen 、大麻/ hemp 、苧麻/ ramieがありますが、このうち、日本で古来から自生・栽培・製織してきたのは大麻と苧麻でした。
例えば、正倉院宝物の中にも、衣装や包布、地図の生地など、様々な用途や形態の麻布が遺されています。その数は、絹に次いで多いようです。江戸時代、徳川家康の保護統制策のもと幕府御用品と認められたことによって、奈良晒の名声は全国的なものとなり、「染めて色よく着て身にまとわず汗をはじく」と讃えられました。現在も奈良晒の伝統技術を継承し、発展させ、時代の要請に応えて新しい価値を織りだしている工房が、1863年創業の岡井麻布商店です。

奈良晒(ならさらし)は、古くから奈良を中心に生産されてきた上質の麻織物です。創業以来、今日までずっとこの地で、手紡ぎの糸を使ってトントンと手織りの麻布を生産してきた機織(はたおり)の家に産まれ育ち、家業を継いできました。
伝統的な製品としては、茶巾や帯、法衣などに用いられてきましたが、手織りの麻布を身近に使ってもらえたらと思い、奈良晒の良さが生かせる「手織りの麻のハンカチ」に仕上げました。奈良晒は、水分を吸収しやすく乾きも早く、また丈夫ですので、ふだんの暮らしの中でも十分その真価が発揮できるものと期待しております。