奈良県の緑茶生産量は全国第6位です。良質な茶の栽培には冷涼な気候が適しているとされ、大和高原はその条件に合っているので茶の栽培が奨励されてきました。2009年8月、県庁職員の発案によって県庁屋上の展望室で産声を上げた「空中大和茶カフェ」という取組みがあります。この取組みは、茶農家と様々な部局からの県庁職員の自発的な参加によって成り立っています。茶農家の皆さんの内面からにじみ出るお茶への愛情を感じ取って頂けることで、急須で淹れるお茶の愉しみが広がっていくことを期待しての活動です。
お茶を始めたころ(農業をはじめたころ)、先輩が「毎年、毎年、一年生や」と言っていました。
その時はなんのことかピンとこなかったのですが、二十年以上たった今、ようやくその先輩の言葉の意味を実感してきたように思います。
今年採れたお茶はその1回しか採れない今年の味です。毎年、同じ様に出来ていても、その年の気候や肥料によって、新たな対応をしなければなりません。工業製品の様には出来ないのがお茶であり農業であると思います。一方でお茶という飲み物は、コーヒーが会話を活発にするとしたら、お茶はじっくりと心を通わせるための飲み物かもしれません。そんなお茶の効用を暮らしの中で活かしていただきたいと願っています。